2週間の前半は、新規就農者で都会から鹿島にIターンした「かしま自然農園」のご夫婦と一緒に、蕎麦の脱穀から製粉、蕎麦打ちまで一連の作業体験を通じ、農業を活かした新しいビジネスモデルの取り組みを学びました。
農家民宿で、地元の野菜や果物を使った料理を作ったり、「菌ちゃん農法」を教えてもらったりしました。
ムラ暮らしインターン2023とは
「働く」と「暮らす」を探す旅。過ごした時間は、明日のあなたのスキルとなる!
< その土地や人の魅力は行ってみないとわからない >
コロナ禍を経て新たなライフスタイルや働き方が注目される中、地方への“移住”も一つの選択肢として注目を高めています。
そこで、旅の一歩先の“観光と移住のあいだ”“もう一歩、地域に入り込む経験”をしたいという方に向けて、働く・暮らす、のリアルな生活をお試し体験ができる【ムラ暮らしインターン】を企画し実施し、今年で3年目を迎えました。
ただ田舎暮らしに興味はあっても、「いきなり知らない場所へ行って暮らすのはハードルが高い」のが現実ではないでしょうか。移住をするにも「働く場」がなくては生活が出来ません。
新しい生活環境で「暮らし」ながら、新しい「仕事」に慣れるのも、色々と考えることが多く、即断出来ない方も多いようです。
2週間の現地滞在は長い印象を受けますが、実際地方で“働くと暮らす” リアルな田舎暮らしを経験、農家さんや多くの人の話を伺うこと、仲間と意見を交換することで、自分のやりたいことや苦手な点に気づき、地方への移住後の生活イメージがつかめます。
ムラ暮らしインターンに参加された方の中には、その自治体の地域おこし協力隊に応募され移住されて方、研修事業の弊社の地域パートナーさんの会社の入社された方などいらっしゃいます。
移住ではなきも、地域との関係が深くなって、農繁期に限らず、地域を再来訪されたり、地域の産品を販売フェアに応援で駆け付けたり、産品を定期的に購入されたり、いろんな関係が動き出しています。
鹿島市ってこんなところ
佐賀県の西南部に位置し、東には有明海が広がり、西には多良岳山系に囲まれ、自然環境に恵まれたところです。福岡市及び長崎市からも約1時間でアクセス可能です。鹿島市では古い町並みや酒蔵を活かし、「酒蔵ツーリズム」も推進したり、干潟の自然環境を守るためにラムサール条約湿地登録も行い、鹿島市の自然環境(森・里・川・海を流れる水)の保全活動に積極的に取り組んだりしています。
研修の内容
●農業研修
・そば打ち体験
・黒豆の選別作業
・みかん畑の見学とみかんの加工体験(6次化体験 ドライみかんの製造)
・自宅で栽培した小豆を使った発酵あんこ作り、柚子とカリンのシロップ作り
※藤井農園での作業は、悪天候のため中止
●座学
・無農薬栽培「菌ちゃん農法」を30年実践されている藤井農園代表藤井さんの話
・鹿島市の農業について、新規就農支援制度、移住定住支援制度について(市役所)
※菌ちゃん農法=微生物(菌)を活用した有機栽培法で、NPO法人「大地といのちの会」の吉田俊道氏が提唱
●地域コミュニティ研修
・新規就農者や親元就農をされている都会から鹿島にIターンした人、研修先の方々との交流
実施期間
2023年12月9日(土)~12月22日(金)
菌ちゃん農法を学ぶことが研修の目的だった参加者もおり、天候の都合で農作業はできなかったものの大きな刺激と学びがありました。藤井農園では黒豆の選別作業などを行いました。
参加者のコメント
- 以前から気になっていた菌ちゃん農法の話が聞けたこと、そして「移住は環境で考える方がいい」という言葉が印象に残りました。(天候で農作業ができなかったことは残念でした)
- 農作物との関わりにある、センス・オブ・ワンダー、自尊心、自由な精神を学びました。宿や食事など生活を支える女性たちの力強さと愛情深さ…。希少な貴重な体験でした。
- 有明海が見える海山の景色、朝日や星空のたくさんの自然のパワーをいただきながら、とれたての野菜、果実で心身満たされ、鮮やかな思い出ばかりです。農家についても全く縁はありませんでしたが、実家でもスモールスタートで始めたいです。
- そばの収穫~そば打ち、麹の菌まぶし~甘酒・発酵あんこ作りから、過程をひとつひとつ地道な作業を経て体験できました。直接体験する事の大切さ、生きるコツのようなものを学びました
- 現地ならでは、対面ならでは、学べることばかりでした。実際に体験してみないと良さは伝わらないと思います。
- 地元の方とお話する中で佐賀の方言をマネするようになっていました。その地域の方々と距離をグンと近くするのが方言なのだと思います。
(参加者アンケートより一部抜粋)
受入れ側のコメント
- みかん農家の現状と今後の展望について話を聞きました。
- 菌ちゃんの農法の藤井さんをはじめ、副市長、市議、市の職員さんとの交流ができ良かったです。
- 短い期間でも農山漁村地域へ興味を持ってもらえる機会があることはとてもいい。実際に現地にきてもらい、宿泊しながら滞在してもらうことで現状の地域の良さや課題をしっかり伝えることができ、参加者も実感してもらい良かったです。
(アンケートより一部抜粋)
関連サイト
・かしま自然農園 https://kn-farm.co.jp/