ムラ暮らしインターン2022とは
私たちは日本の農村漁村=ムラを訪れ、農家や漁師が暮らすお宅や古民家に泊まり、地元とれた旬な食材を味わい、地域ならではの様々な体験を通じて、その地に暮らす人々との交流を楽しむ“ムラたび”を広める活動をしています。
旅の一歩先の“観光と移住のあいだ”、“もう一歩、地域に入り込む経験”をしたいという方が増えていることを実感し、地方で働く・暮らすリアルな生活が経験できるお試し体験ができるプログラムを組立て実施しました。
約2週間現地に滞在し、
地方で“働くと暮らす” のリアルを経験できる
【ムラ暮らしインターン】
プログラムは<事前研修>・<現地研修>・<事後研修>の3つのフェーズ。
現地研修は、[A]2週間連続滞在・[B]1週間2回滞在・[C]1週間+2泊3日×2滞在の3パターンです。
漁師町でマルチワーカーとして暮らす2週間 (熊本県天草市)
東シナ海に面した天草市でも最南端に位置する魚貫町(おにきまち)。この地で、地区の区長を務める漁師歴20年の大西さんの指導のもと、漁業だけでなく宿泊・食の提供・アクティビティガイドなど季節や天候に応じて様々な生業を兼務できるスキルを体感しながら学びました。
実施期間
2022年9月~2023年2月 この期間4回実施しました。 すべてAパターン
“熊本県天草市”のご紹介
熊本駅から車で約2時間。東シナ海に面した天草市でも最南端に位置する魚貫町。国立公園やジオパークに指定された美しい自然景観や世界文化遺産に指定された潜伏キリシタン関連遺産「﨑津教会」などの名所も多くあります。温暖な気候を生かした農業と漁業のほか、透明度が高く風光明媚な海を活かしたカヤックやSUP(スタンドアップパドルボード)などのアクティビティも盛んです。 魚貫海岸からの夕映えは、「日本夕陽百選」にも選ばれています。
研修の内容
◎漁業研修
・船上で網の仕掛け、漁獲、水揚げ(※真っ暗な早朝の海での作業)
・市場への出荷、競りの見学
・網の手入れなど研修
◎ツーリズム研修
(南天草自然学校「天草レストハウス結乃里」での研修)
・客室やレストラン等の清掃作業
・アクティビティに用いる備品の整備
・お客様からの問い合わせや地域全体で行うおもてなし対応
・SUPやフットパス等のアクティビティのガイド体験
◎地域コミュニティ研修
・地元の漁師さん、福岡との二地域居住でSUPガイドとして活躍する方々との交流。
自ら船を操り、網を仕掛け、水揚げし、市場に出荷し収入を得る漁師の暮らし+国立公園や東シナ海の自然環境を活かしたツーリズムを生業とする暮らし+福岡(大都市圏)と当地(ムラ)の二地域居住をしながら自己実現を図ってもらいました。
参加者のコメント
参加された方にお聞きした仕事の魅力、地域の魅力、体験して感じたことなど一部ご紹介します!
仕事の魅力
- 普段、経験しないような事も経験でき、漁業も身近に研修できてすばらしいと思いました。
- 緋扇貝の養殖に非常に興味を持ちました。
- 魚が市場やスーパーにならぶまでどの様な過程を経るのか分かったことです。
地域の魅力
- コンビニやお店がなく、日が登り、沈んで真っ黒なので、早く寝る事ができました。地元の方は野菜や魚をあげたり、もらったりして、助け合って生活しています。森林もあり、 透明度の高い海もあり、自然や四季を感じながら生活できる所だと思いました。
- 日常では味わえない環境、たくさんの自然。観光シーズンによってはいろんな地域の方と交流できる場所だと思います。
- 青い空とキレイな海そして温暖な気候などあらゆる面で自然を感じ、ゆっくりとした時間を体験出来きました。出合った地元の人たちがみなあたたかくやさしい!
全体的な感想・学べたこと
- お世話になった漁師さんの家に、過去10年間分の漁業手帳があったのには圧倒されました。
- 改めて漁師という仕事のキツさ、大変さを実感しましたが、 それと同じくらい魚がいっぱい獲れた時の、嬉しさはすさまじかったです。
- 漁業研修においての早起き(3時起き)は普段の生活ではありえないことだったので最初は苦労した。また、毎日海に出ても必ずいい結果が出るわけでもなく、良い所との両面が見られました。恵まれた環境でいろんなことを体験できて充実した日々でした。
- 研修期間中に宿に来た人吉の子どもたちと触れあいが印象に残っています。
- 年間を通じて、どのようなお仕事があるのか、天草市の地域おこし協力隊、二拠点生活支援などもっと具体的に教えて欲しかったです。
- 家業の後継者問題などに、このように研修に来た自分たちが役に立つこともあるのでは?と感じました。
- 過疎化、高齢化の進む地方の地域を訪れる事ができ、良かったです。年輩の方々が頑張っておられる姿を見て、何か手伝 える事はないか~と切に思いました。跡継ぎの問題解決の為に何かいい手段はないか思案中です。
- 漁業者の方々は細かく気を配って下さり、大変充実した研修となりました。
ムラ暮らしインターンについて
- 農山漁村への移住者などを増やすために知ってもらう機会を作るというのはとてもいいことだと思いました。その他同じような農山漁村同士の交流をもっと深めていけばいいと感じます。
- 過疎化している地域の人たちが、若者を迎え入れるのにとても努力している事を実感しました。何をするかより、誰とするかが私の中で一番重要で、移住先を決める時も、その要素は決してゆるがないと感じました。
- これからも回数を増やし、興味関心がある人を増やしていけば、定住化につながると思います。加えて、更なる問題解決に向けて話し合える場を設けられれば、より身近に訪ずれた地域の事を考えるきっかけになると感じました。
現地パートナー
天草レストハウス結乃里のみなさん
今年2回目の受入でした。
南天草の漁師さんと「漁業」や自然学校・レストハウスでの「ツーリズム」を体験してもらいました。漁業については、早朝からの出漁や海況に左右される水揚げなどの厳しさと海の豊かさや恵みを実感したのではないでしょうか。ツーリズムについては、ウェルネスをテーマに、漁師町や海岸を巡る滞在コンテンツの造成にも取り組みました。
研修を受け入れてくださった地元の皆さんからのコメント
- 若い働き手がおらず、地域の高齢者は自分たちの代で終わりだと日々暮らしています。
- この研修で、若者と会話することで、刺激や遣り甲斐を感じ、積極的に観光や移住者受け入れにつながるのでは?と思いました。積極的な若者と出会える可能性も期待しました。
- みな、大変熱心で作業の覚えも良く、好感が持てました。歓迎食事会では、漁師ならではの海の幸を喜んでもらえました。
- 今年度は、少人数であったため、その人なりを良く感じることができました。毎日慣れない漁業を頑張って早起きしている姿に、若者も一生懸命考え行動しており、私たち地域も頑張らねばと思いました。
- 高齢者が多く、特に観光資源もない地域には、人はなかなか集まりません。他地域から来た人から美しい、すごいなど天草をほめてもらい、改めてりっぱな資源だと気づかされました。
- 研修期間2週間は、観光旅行ではない交流が持てたと思います。「また行きます」というハガキを受け取りこれからもっと深い関係になれる気がします。
関連サイト
- 天草レストハウス 結乃里 https://bluenanatu.wixsite.com/yuinosato-taiken