【報告レポート】ムラ暮らしインターン 小さな林業編(愛媛県内子町)

ムラ暮らしインターン2022とは

私たちは日本の農村漁村=ムラを訪れ、農家や漁師が暮らすお宅や古民家に泊まり、地元とれた旬な食材を味わい、地域ならではの様々な体験を通じて、その地に暮らす人々との交流を楽しむ“ムラたび”を広める活動をしています。

旅の一歩先の“観光と移住のあいだ”、“もう一歩、地域に入り込む経験”をしたいという方が増えていることを実感し、地方で働く・暮らすリアルな生活が経験できるお試し体験ができるプログラムを組立て実施しました。

目次

約2週間現地に滞在し、
地方で“働くと暮らす” のリアルを経験できる
【ムラ暮らしインターン】

プログラムは<事前研修>・<現地研修>・<事後研修>の3つのフェーズ。
現地研修は、[A]2週間連続滞在・[B]1週間2回滞在・[C]1週間+2泊3日×2滞在の3パターンです。

環境と林業の関係“小さな林業”という持続的森林経営を学ぶ (愛媛県内子町)

普段の生活ではなかなか仕事をイメージすることが難しい「林業」。ただ木を切ったり育てたりするだけでなく、水資源、山で暮らす動物たち、さらには災害予防にもつながったりと、私たちの生活に密着しています。
近年注目の小規模林業、林家(りんか)さんの下で研修を行う他、バイオマス資源を中心とした再生可能エネルギーの導入にも取り組みも学んでいただきました。

実施期間

2022年10/3(月)~10/16(日) Aパターン

“愛媛県内子町”のご紹介

内子町は愛媛県のほぼ中央部に位置し、面積の約8割を山林が占めています。山間の小さな町ですが、江戸後期から明治時代にかけて製蠟業などで栄えた美しいたたずまいの町並みが今も残っています。最近は、歴史情緒あふれる町並み+移住者に人気の里山エリアとしても注目されています。
内子町、小田地区は県立自然公園四国カルストにある景勝地。遊歩道を散策しながら自然を満喫することができます。特に紅葉シーズンには、言葉では表現できないような様々な色が渓谷や山を染めることから多くのカメラマンも訪れる撮影スポットです。

研修の内容

◎林業研修
・枝の伐採や伐採した木を山から運ぶ作業

◎木こり市場
(出荷作業)伐採した木をトラックに積み、木こり市場へ出荷します
(受入作業)出荷された材木をトラックから降ろし、計測して「木こり通帳」に記入します

◎その他

木材活用の現場視察など
(内子町は「エコロジータウン」を目指しており、豊かな農村景観の保全のため、環境保全型農業の推進と農産物のブランド化、グリーンツーリズムの推進に取組んでいます。また地球温暖化対策として平成13年度より「エコオフィスプラン」を策定し実施。バイオマス資源を中心とした再生可能エネルギーの導入に着手しています)

参加者のコメント

参加された方にお聞きした仕事の魅力、地域の魅力、体験して感じたことなど一部ご紹介します!

仕事の魅力

  • 林家さんの活動の見学がメインで、簡単な作業の手伝い程度にと思っていましたが、色々なことをさせてもらえました。
  • チェーンソーを使った丸太切りだけでなく、実際は造材、搬出まで教えていただき、大変貴重な体験をさせていただきました。
  • 体力的に大丈夫か不安でした。実際疲れましたが、何とか出来そうな感じがしたので、今度は職業として取り組めるようにしたいと思っています。

地域の魅力

  • 町全体としての受け入れる空気感や、”木”というキーワードが暮らしの中に溶け込んでいる点です。
  • 地域おこし協力隊など外部から来た人が根づいている感じで、楽しみながら活動されている方々がいるところが魅力です。
  • 地域の方々が温かく、移住された方や若い方だけではなく、年配者も生き生きと過ごされていました。
  • 役場の車が通れば道端の人たちがみんな手を上げてくれる、そういったコミュニティが魅力でした。(感じ方は人にそれぞれですが)また地元パートナーのように、この地域を盛り上げようとするプレーヤーがいることも魅力的でした。
  • 林業を通して、町を活性化させようとする熱意が感じられました。若者が移住した場合の支援や、人々の受け入れる気持ちがあるように感じます。四季の変化がはっきりしていて、自然の中に身を置きたい人には良いと思いました。

全体的な感想・学べたこと

  • 移住者への受入れ間口が広く、生活しやすいと思えました。林業の歴史が有り、問題意識も有るため、取り組み易いプロジェクトだと思います。バイオマス発電まであり、エネルギーを含めた自給自足が出来そうです。
  • 80代の現役の林家さんのお話を聞けたのは貴重でした。林業の生き字引のような方々の林業が盛んだった頃から現在に至るまでのお話はとても勉強になりました。
  • 林業体験を通して山は人工林だと知りました。木の種類によって土砂崩れ引き起こす原因を学び難しい課題を知りました。
  • 様々な地域から色々な年代の方と関わり、林業研修を通じて考えたことを話し合うことができました。土日も地域の方と関わる機会があり、あたたかく受け入れてくださったことが一番記憶に残っています。研修を通じて学んだことを論文や今後の生活に役立てたいです。
  • お米が美味しかったこと、伐倒の作業をかなりの回数させてもらったのと、作業中の危険予測と安全管理を再認識しながら実践できたこと。研修先、地域の方、参加者と様々な交流と関係が築けました。
  • 地元パートナーからの森林、林業の課題の話や資料など有意義な内容で勉強になりました。スケジュール的に、講習会やチェーンソーの使い方など先にレクチャーがあれば、山の作業もより違った視点で行えたと思いました。
  • 理想としては林家農家として関わっていきたいです。現状、農・林業も様々な課題を抱えていますが、私が地域に入ることにより地域全体が活性化するような活動をしたいと思っています。その入り口として、地域おこし協力隊という制度も検討しています。

ムラ暮らしインターンについて

  • 関係人口の拡大となると、移住よりも障壁が低い多拠点生活をする人々へのアプローチがカギになるのではないかと思いました。
  • 一次産業へ関心を持たせるよいきっかけになると感じました。2週間という期間は、林業のことだけではなく、地域の方にも関心を向ける余裕ができると思います。
  • 社会人こそ参加してみて欲しいプログラムです。問題は、会社を2週間程でさえ休めない社会の仕組みにありますね。
  • 関係人口の創出・拡大にもつながっていく事業だと思います。内子町に移住しない方々でも、その他の農山魚村地域に移住する方もいますし、内子町と農山漁村地域の両方に感心がひろがる事業(研修)でした。

現地パートナー

ミカタスイッチ(株)代表 納堂さん & 内子町役場 高本さん

昨年に続き2回目の受入となりました。
地元の林家(りんか)さんも研修生の受け入れを楽しみにしてくれています。
10月に現地研修を行い、その翌年1月末には研修生のひとりが早速内子町に移住してくれました!今はミカタスイッチの仲間として一緒に働いてくれてます!

研修を受け入れてくださった地元の皆さんからのコメント

  • 「木」に興味を持つ人を増やしたい。木質バイオマス発電に関心を持ってもらったり、林業の意味を少しでも多くの人に知ってもらったりしたくて、昨年に続き受け入れをしました。
  • 木工クラフトでは、紙(手すき和紙)関係の人にも協力してもらい体験内容を広げることができました。
  • 2週間の研修で、農山村に興味を持って理解してもらえ良かったと思いますが、欲を言えばもう少し参加者の皆さんと質疑応答の時間が欲しかったです。
  • これからも情報発信が出来る場が増え、このような研修を知ってもらえれば少しでも前進できるのではと思いたいです。
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