【報告レポート】小さな林業という持続的森林経営を学ぶ(愛媛県内子町)

2021年10月、愛媛県内子町で「ムラ暮らしインターン」が開催されました。その様子を動画と写真でレポートいたします!

※ムラ暮らしインターンは、田舎暮らしや就農希望者に関心の高い方々に「農山・漁村を知ってもらう」ことで、将来的に農山漁村で農林水産業に就業するためのきっかけづくりを行うプロジェクトです。

 

▼動画で見る内子町の「ムラ暮らしインターン」

 

▼“愛媛県内子町小田地区”ってこんなとこ

研修地は愛媛県内子町の中で林業が盛んな小田地区。愛媛県の中央部に位置し四国カルストにある景勝地として有名な「小田深山渓谷」や郷土料理で地元の名物「たらいうどん」が有名な場所です。小田深山渓谷は、新緑の時期や紅葉シーズンには、言葉では表現できないような様々な色が渓谷や山を染めることから、多くのカメラマンも訪れる撮影スポットにもなっています。

 

 

 

▼現地パートナー

2014年内子町の地域おこし協力隊として着任し、その後「ミカタスイッチ株式会社」を立ち上げた納堂邦弘さんと、内子町役場職員として小田地区で様々な方向から森林資源に携わる高本匡介さんが現地パートナーとしてインターンの皆さんをフォローしてくださいました。

 

 

 

 

▼林業研修

エコロジータウンを目指し、環境保全型の農業の推進や森づくり、バイオマス資源を中心とした再生可能エネルギーの導入に取組む内子町。小田地区で小規模林業を営む林家(りんか)さんのお手伝いをしながら、小さな林業”で注目される『自伐型林業』を実際に体験する他、『木こり市場』や『木材活用』などの現場視察を行いながら林業について学んでいただきました。

 

 

▼参加者からのコメント

実際に参加された方にお聞きした仕事の魅力、地域の魅力について一部ですがご紹介します!

 

【仕事の魅力】
・自然の中でその豊かさを実感しながら仕事ができること
・林業のよさを十分に発揮しているし、それがわかりやすかった
・1人、2人で施業を行う場合が多い自伐型林業はではあるが、(内子町は)仲間どうしで手伝い合うことが普段から行われ、地域のあり方として他地域からの手本になる

 

【地域の魅力】
・知らない人たちに対しても分けへだてなく、若者から年寄りまであいさつをしてくれる。都会にはない大きな魅力
・地域の人とのつながり。大自然に囲まれて生活できること
・地域の人の温かさ・ 木材を無駄にしない、という考え方

 

【全体的な感想・学べたこと】

・とても濃厚な1週間でたくさんの学びがありました。 地域活性化のために熱い思いをもった様々な人が各方向性で、それぞれの考え方で活動していることを学びました。林業についてはほぼ何も知らない状態で参加しましたし、自然環境についても知らないことが多く、改めて今回の経験で考えさせられることも多々ありました。 もっと勉強しなければという思いとともに、自分自身の仕事や人生への向き合い方をこれからどうしていきたいか、考えながら行動していくとても大きく重要な機会となったと思います。非常に楽しい研修でした。どうもありがとうございました。

・林業や田舎暮らしについて、頭の中に持っているイメージと実際に見て感じたことは全く異なるものでした。例えば、地域の方々との交流。これまでは周りに住んでいる人との関わりは限りなく0(ゼロ)でしたが、ここでは、すれ違う人みんなが挨拶をしていたり、困っていたらすぐに声をかけてくれたりと、日本古来の”あたたかさ”のようなものを受け取ることができました。一つ一つのことが自分にとって未知のことばかりでとても楽しい時間を過ごせました。

・全体として充実した一週間。 木質バイオマス発電所に元々興味があったので、実際に所内を見学することができ、今後就活をすすめる上で、大変参考になった。また、林家さんと一緒に作業する中で、林業の大変さや自伐林家の魅力、考え方を学ぶことができ、林業従事者に進まないとしても、将来的に役に立つ経験になったと思う。

・将来、国家公務員になりたく「地域」のあり方に関心があります。 ただ、「地域」といっても、そのアクターは多種多様で、その1つでも取り残さない考えが重要だと考えています。 その中で、自分自身林業に触れたことがなく、現状や問題点を実感・体験したいと思い、参加したこのインターンでしたが、林業が現在どのような状況にあるのか、林家さんが実際にどのように仕事を為されているのかなど、資料やデータからだけでは見えないものを見させていただきました。 特に記憶に残っていることとしては、クラフト工房でいただいた一言です。「バイオマス発電などで木を無駄なく使うという考え方は正しい。しかし、それは70~80年の時間を一瞬にして灰にしている。」ここには書けないほどの壮大な論点だと感じました。

 

▼受入先コメント

今回の研修を通し、受け入れ側として参加した林家さんや、宿泊などの生活面のフォローを行われた民宿の皆さん、地元の方々皆さんが「生きる力を頂いた」と言われるぐらいとても喜ばれていました。

林家の皆さんは高齢の方が多く、林業の衰退、後継者不足が課題となってます。そんな中、何十年と山で木を育てて山を生きがいに生活をされてきた林業者の皆さんが、なんとか林業への想いを伝えていきたいと感じられていること。しかし実際には後継者がいないので、そういった想いを伝えられないもどかしさがあるということを改めて感じました。今回は短い期間でありましたけど、ありったけの技術や、山への思い、愛を少しだけでも引き継ぐことができたという実感が林家さんにもあったのではないかと思います。

また、生活面でお世話いただいた民宿の皆さんも、コロナ渦で寂しい思いをされていましたが、この研修の一週間は皆さんとお話をしたりとても楽しく家族のような風景を見ることができました。最終日は名残惜しく、こんなに喜びを感じの研修は今までなかったじゃないかなというのが一番の感想です。

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