【報告レポート】いちご農家編(熊本県南阿蘇村)

ムラ暮らしインターン2022とは

私たちは日本の農村漁村=ムラを訪れ、農家や漁師が暮らすお宅や古民家に泊まり、地元とれた旬な食材を味わい、地域ならではの様々な体験を通じて、その地に暮らす人々との交流を楽しむ“ムラたび”を広める活動をしています。

旅の一歩先の“観光と移住のあいだ”、“もう一歩、地域に入り込む経験”をしたいという方が増えていることを実感し、地方で働く・暮らすリアルな生活が経験できるお試し体験ができるプログラムを組立て実施しました。

目次

約2週間現地に滞在し、
地方で“働くと暮らす” のリアルを経験できる
【ムラ暮らしインターン】

プログラムは<事前研修>・<現地研修>・<事後研修>の3つのフェーズ。
現地研修は、[A]2週間連続滞在・[B]1週間2回滞在・[C]1週間+2泊3日×2滞在の3パターンです。

農業を主軸にした里山保全活動を学ぶ (熊本県南阿蘇村)

2016年の熊本震災から6年。世界のカルデラ・阿蘇の自然と共に暮らしてきた先人の知恵を守りながら、災害復興、新たな地域づくりなど「農村を守る」ことに取り組んできた里山に住む人びと。その暮らしに触れ、地域交流を活かしたこれからの新しい農業や農園づくりを学びました。

実施期間

2022年11/30(水)~12/13(火) Aパターン 

“熊本県南阿蘇村”のご紹介

阿蘇カルデラの南部、阿蘇五岳と外輪山に囲まれた南郷谷に位置し、2005年旧白水村、久木野村、長陽村の3村が合併して発足した新しい村です。自然豊かな農業と酪農の村であり、日本名水百選に選ばれた白川水源をはじめ、南阿蘇湧水群(村内に点在する10の水源の総称)が大地を潤し、その流れを集めた白川が村の真ん中を東西に流れています。
現在約1万人が暮らしていますが、今でも昔ながらの農業を続ける畜産農家が点在し、あか牛の放牧や萱(カヤ)などの草資源を活用している地域で、冬の終わりに行われる「野焼き」は今なお続いています。
この地域の持続可能な農業の姿は、「阿蘇世界農業遺産」として登録されています。

研修の内容

◎農作業研修
・いちご収穫作業、収穫の手伝い、苗の管理、圃場(ビニールハウス内)掃除など
・地元の有機農家さんの圃場見学&お話
・鳥獣対策用の柵の整備作業

◎座学
・NPO法人九州エコファーマーズセンターの専門家によるワークショップ及び阿蘇いちご畑の木之内代表による座学(新規就農の心得など)

・(一社)南阿蘇村農業みらい公社、南阿蘇村役場より、新規就農支援制度、移住定住支援制度の説明

◎地域コミュニティ

・下田地区が取り組むハーブツリー(ダマクスローズ)の生育をサポートするための苗配りの手伝い
・地域づくり組織、バンブーフォレストKAGUYAの取り組みサポート(ワーケーション拠点整備など)
・地元農家さん、研修先、地域の方(移住定住者含む)、地域おこし協力隊との交流
・(一社)南阿蘇村農業みらい公社が主催するマルシェ手伝い
・草原を守るための活動現場視察
(野焼きなどを行っている阿蘇グリーンストック及び地元牧野組合員から草原保全のための活動のお話を伺います)
・震災遺構、水源見学

いちご農家の農繁期の作業、南阿蘇村農業みらい公社主催のマルシェへイベント補助作業や復興ツーリズム体験を行いました。
地元農家さんを始め、移住された新規就農者、就農を目指す地域おこし協力隊や、エコファーマーズセンターの研修生らから農業に関する心得、支援制度などをお話いただく他、農業で農村を守る取組みについて学びました。

参加者のコメント

参加された方にお聞きした仕事の魅力、地域の魅力、体験して感じたことなど一部ご紹介します!

仕事の魅力

  • 農業関係の経営者のお話がとても印象に残りました。
  • 農繁期のお手伝いで農業経験を積んでいきたいと思いました。誰が、どんな風に作っているか知って、それぞれの農作物のファンになり美味しい食生活を楽しみたいという気持ちになりました。
  • 農家さんの思いや生産者としてのやりがいなどが聞けてとても勉強になりました。

地域の魅力

  • 広い空と阿蘇五岳を見渡せる中で、美味しい空気と水の中で暮らせることです。移住者の方がしっかりと就農やお店などで働き続けており、様々な方を受け入れてくれる環境が整っていました。
  • 人の良さと自然環境。
  • 生活している方々が楽しそうでした。実際に住むとネガティブな側面も見えるとは思うけれど、そのマイナスを凌駕する程ポジティブな出会いがありました。

全体的な感想・学べたこと

  • 移住して新規就農した方、地元で親元を継いだ方など、様々な年齢や背景がある方のお話を伺えたことで、自分がどのように農家として生きていきたいか、目指すモデルについて深く考えることが出来ました。数年後、そこから先の自分が生きているイメージがわきやすくなりました。
  • いちごのお世話、収穫から販売まで、赤牛の種づけ・出産、仔牛から成牛そして自分が食べるとこまで、全てが繋がっていることをすごく実感でき、これらに直接関わっていきたいと思いました。たくさんの方にとてもお世話になり、景色だけでなく人としての魅力がとても素晴らしいと感じ、自分もその一員になりたいなと強く感じました。
  • 現地パートナーさんの対応や寛容さに感謝と学びが大きいです。宿泊先のなかむら牧場さんの受け入れもメンバーの結びつきを強くしてくれ、いい時間を得られました。2週間毎日楽しいしかなく、その中で沢山の学びがあり最高でした!
  • このプロジェクトに参加できてよかった。恐らく私の人生の岐路になろうであろうイベントでした。
  • この地域での地域おこし協力隊に応募中ですが、その業務以外にも「自然」ともっと直接たずさわることがしたいです。

ムラ暮らしインターンについて

  • 関係人口を増やせると、有機や生産者ファン作りにつなげられると感じたので、時間がとれればまたこのような研修に参加したいと思います。
  • 農業に興味があってもどこから入っていけばいいかわからない人のために、このようなプロジェクトはとてもありがたい取り組みだと思いました。

現地パートナー

株式会社アースライブラリージャパン 長野さん

株式会社アースライブラリージャパン 長野さん
いちご農家さんから農作業を学んだり、NPO法人九州エコファーマーズセンター、(一社)南阿蘇村農業みらい公社の方々からは、農業に関する心得、支援制度、農業で農村を守る取組みについて話を聞いたりしました。

研修を受け入れてくださった地元の皆さんからのコメント

  • 南阿蘇村も人口が減っており、少しでも定住者が増えると良いという思いや農業の現場について興味を持っている参加者の話を直接聞きたいと思い受け入れました
  • 皆さん大変熱心に取り組んでいただきました。いちご農家での研修でしたが、カリキュラムが多かったので、農家としての作業時間をもう少し増やせばよかったかもしれません。(理解を深めるためには、時間をかけて次のステップが必要)
  • 南阿蘇村の現状と取り組む具体的な説明をしながら、楽しさだけでなく、移住・定住のむずかしさ、厳しい部分も伝えられたことは良かったと思います。
  • コロナなどの社会情勢の悪化で従来の働き方が見直されてきています。これからは、都会にいなければ仕事ができないという時代ではないので、地方は生き方を含め働き方も変わってゆくと思います。

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